え?担保って不動産だけじゃないの?農林漁業者必見の融資はこれだ!

よく不動産担保ローンというのを耳にするかもしれません。不動産を担保として融資を受けることです。受けた融資資金の使い道は原則自由です。しかし、担保にできるものは不動産だけではないんです。不動産以外に担保として活用し融資を受けられる、ABLについて話を進めていきましょう。

ABLとは、Asset Based Lendingの略で、動産・債権担保融資を指します。そのABLは、借り手の事業に着目し、農畜産物(牛・豚・野菜など)等動産や売掛金を担保に資金を貸し出す仕組みとなっています。こうした動産は今まで担保として評価されてきませんでした。しかし、このABLにより新規の融資枠が拡大し、資金調達の利便性がより充実し、必要な時に事業運転資金を借りる事が可能になったのです。不動産担保と比較すると、このABLのしくみがより融通の利いたものだということが分かると思います。とりわけ農林漁業者は必見です。

例えば、養豚場を営む経営者がいます。農地を不動産担保として提供済みです。保証人はいません。動産は肉用豚です。この養豚場経営者が経営規模の拡大を目指し、運転資金の融資を検討しています。通常の融資ですと、不動産は担保提供済みで×、保証人もいないので×、肉用豚などの動産も評価されず×。新規融資枠を得る事は出来ません。しかしABLですと違います。不動産や保証人という点では評価は変わらないのですが、肉用豚を動産として評価されます。ですから新規融資枠を得る事が可能になるのです。

このようにABLには大きなメリットがあります。農林水産業者が保有する資産を有効活用することができますし、不動産担保や第三者保証に過度に依存しない資金調達が可能になるのです。積極的な経営展開が望めるのがこのABL融資の大きな強みです。しかしそれに反しデメリットもあります。担保である動産の品質保持・管理の徹底が必要になります。そのために、今以上に管理費がかさむ可能性もあります。

しかし、農林漁業者にとって経営拡大や資金繰りを行う上で、大きな貢献となることは間違いありません。今現在の自分の動産の状態、経営の状態をトータルで考慮し、必要とあらばこのABLを積極的に活用していきましょう。

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